感覚統合ってなに?~基礎~

こんにちは、作業療法士の春斗です。今日はTwitterで知りたいとの意見が多かった「感覚統合」について説明していきます。

感覚って?

感覚と聞いてすぐに思い浮かぶのが、視覚、触覚、聴覚、味覚、嗅覚「五感」だと思います。しかし実はこれらの感覚以外に「固有受容覚」「前庭感覚」という普段は意識していない感覚が存在しているんです(この2つの感覚については次回書きます)。こんなにたくさんの感覚を一度に同じ強さで受け止めたら混乱しますよね?その混乱を防ぐために必要なのが「感覚統合」です。よく本では「脳の交通整理と表現されています。

感覚統合に必要なこと

感覚統合に必要な事として「楽しいと思える活動」「挑戦したいと思える活動」が必要不可欠であり、この2つが組み合わさることで生まれる「成功した時の達成感が重要です。

よく個別支援計画書の目標で「自信をつける」「自己肯定感を高める」「成功体験を積む」という表現がされていることがないですか?正直それだけでは足りません。

「○○ができるようになることで自分から取り組める活動の幅が広がる」「上手くできた経験や楽しい気持ちを他者と共有し、認められることで自己肯定感が高まる」など、より具体化する必要があります。大人に置き替えると分かりやすいと思いますが、自分が苦手だと思っていることに「自信を持つ」ってとっても難しくないですか?子供も同じです。「自信がない子」「消極的な子」とレッテルを貼るのではなく、どんな方法なら取り組めるのか一緒に考えていきましょう。

感覚は積み木を積み上げるように発達する

人間が成長していくにはある程度適切な順番があります。家を建てるのに設計図もなく取り組み始めないですよね?土台も決まってないのに屋根の形を決めないですよね?この成長の過程を知らずにレベルの高い課題を与えると「できない」「苦手」という経験だけが積み重なり、結果的に「自信がない子」に育つ可能性があります。では画像を見ながら説明します。

1段目:視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、固有受容感覚、前庭感覚

2段目:姿勢、筋力、眼球運動のコントロール

3段目:ボディイメージの形成、運動コントロール

4段目:巧緻性、言葉

5段目:教科学習、社会性の構築、遂行機能

という流れになります。表現としてはざっくりした感じになっていますが、この流れから現在子どもがどの段階なのか、求めているレベルは適切なのか考える基準になります。

「姿勢を保持する力が弱いのに学習に集中することを求める」だと、2段目の力が未熟なのに、5段目の力を求めていることになります。この場合だと、2段目の力を補うために「机に肘をおいて支えにすることを認める」「道具を配ったりプリントを集める役割を与え体を動かせる時間を作る」などの支援があるといいかもしれません。

なんで感覚が大事なの?

感覚を調整するということは、適切な覚醒を維持することに繋がります。覚醒とは、「脳がどれぐらい起きているか」ということなので、覚醒が低いとぼーっとしている状態、高いと興奮している状態になります。そのため学習を進める上で覚醒は高すぎても低すぎてもダメで、それを適切な状態に維持するために感覚刺激が必要になってきます。

暗記は歩きながらの方が覚えやすい、音楽を聴いた方が集中できる、眠い時は頭を揺らす、おっきい声を出したらすっきりするなど、人はみんな覚醒を維持するために色々な行動を取っています。

そのため子どもの感覚の特性を理解して、どのような支援が必要なのか支援者と一緒に考えて行く必要があります。

感覚を知るための評価

僕の事業所で使っている評価は主に2種類あります。

①JSI-R(対象年齢:4~6歳)

結果はGreen、Yellow、Redの三段階評価になっています。どの感覚を好んで、どの感覚を苦手としているのか、質問項目もシンプルで分かりやすい評価です。質問は全部で147項目あります。

②感覚プロファイル(3歳~82歳)(発行年:2015年)

乳幼児版、青年・成人版もあるため幅広い年代に使うことができます。125項目あり、JSI-Rよりも細かく見ることができます。また、行動の特性(低登録、感覚探求、感覚過敏、感覚回避)まで知ることができるので支援を考える手がかりになりやすいです。

興味のある方は作業療法士に聞いてみて下さい!

作業療法士がいない、もしくは担当が知らない場合は相談して頂ければ僕の方でできないか考えてみるので遠慮なく声かけてください!

まとめ

感覚統合は、「やってみよう!」→「できた!)」→「再びチャレンジ!」が大事です。

感覚の偏りがあり失敗体験を多くしていると「再びチャレンジ」まで結び付きにくいことが多いです。

活動を行うときは、まず成功できるパターンを準備して、その中でやりとりを楽しみ、安心できる環境(失敗しても大丈夫な環境)を作り上げてから少しずつ段階を上げていきましょう。

皆さんが通われている療育でも、活動の中でどこに得意な動きを入れて、どのタイミングで苦手な動きを取り入れて、その時どんな感覚を取り入れているか注目しながら見てみて下さい。

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