固有受容感覚について”知っているだけで視点が広がる”

皆さんこんにちは、作業療法士の春斗です。

「力の調整が苦手」「指しゃぶり、爪噛みがやめられない」「手を繋ぎたがらない」「特定の人以外の抱っこを嫌がる」「運動が苦手」などの困り感において、多かれ少なかれ固有受容覚が関係していることが多いです。

今回はその「固有受容感」について一緒に知っていければと思います。

↓僕が参考にしている本で、実際に保護者に説明する時も使っています。かなり分かりやすく読みやすいです。

今後もこの本を元に更に深く感覚についてお話していきます。(なぜか画像が反映されない…)

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↓実際の行動と照らし合わせて知りたい方は、この本だと実例をもとに対処方法や感覚の特性を書いてあります!この2冊あれば感覚についてはほぼ大丈夫かと思います。

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固有受容覚とは

大きな役割は、自分の体の【位置】【動き】を知ることと、【力】【圧】を感じることです。これだけでは分かりにくいと思うので、更に細かく説明していきます。


①力を加減する働き

僕たちは無意識の内に物や活動に合わせて【力】を調整しています。もちろん声の大きさもです。「このボール10キロあるからね!」って言われて投げられたら自然と身構えますよね。

内緒話をする時と皆の前で発表するときの声の大きさちがいますよね。それも固有感覚が経験から必要な力を予測して、無意識の内に力を調整しているからなんです。

大人でもいますよね。公共の場で大きな声で話す人、ドアを勢いよく閉める人、ハイタッチがやたら強い人、パソコンのエンターキーをターン!って押す人、物をどんって置く人…

なんか多いなって思いました?そうなんです。僕は過敏の特性を持っているので日頃から人の行動が気になって仕方ないんです。笑

子どものトラブルでよくあるのが、遊ぼうって誘ったつもりが力の調整が上手くいかず「叩いた」と誤解されたり、声の音量の調整ができず「うるさい」と思われたりしてしまいます。

そんな子に「優しく!」「ゆっくり!」と言っても中々難しいです。適切な力(関わり方)のモデルを示す、一緒に手を持ちながら行う、力や声の大きさを5段階で視覚的に示す、「豆腐を持つようにそーっと運んでね」「風船を持つように優しくね」など具体的に伝える、等の支援が必要です。

もし「優しく」「ゆっくり」「そーっと」って言葉を理解してほしいのであれば、上のやり方で上手くいったときに言葉を添えながら積極的に伝えていきましょう。

褒めるのが苦手って方は、その時にしていた行動を伝えるだけでもいいです。「今優しくトントンできたね」「今の声の大きさ聞きやすかったよ」「今3ぐらいの声の大きさ(力の強さ)でできてたね」など、現状を伝えるだけで意識が変わることもあります。


②運動をコントロールする働き

積み木を慎重に積み上げるときは手をゆっくり動かす、ボールを強く投げる時は腕を早く動かすなど、物や活動に合わせて筋肉や関節の動き(曲げ伸ばし)、速さを調整しているのも固有感覚の働きによるものです。

プロのスポーツ選手やダンスが得意な人はここが優れているので、思うように体が動かせます。

ここが認識しにくいと、運動神経が悪い、運動音痴と言われることがあります(アメトークでも運動神経悪い芸人が取り上げられていますね)。

「手の動きに対して足をどのように動かすか」「ボールの動きに合わせて体をどう使うか」、ここを上手くコントロールできないため、各関節を分離して動かせず不自然な動きになってしまうんです。(運動神経悪い芸人にて膝神が走り幅跳びで突き刺さったのは、股関節から下が全く分離できていないからです。)


③重力に対して姿勢(バランス)を保つ働き

これは前庭感覚の時にもでてきましたね。固有感覚と前庭感覚は切っても切り離せない関係で、常にお互いが支えながら機能しています。

傾きや揺れを感じる前庭感覚に対して、固有感覚は持続的に姿勢を保ったり転ばないように筋を調整する働きがあります。これが体の【位置】【動き】を感じるということです。

授業中や会議中に眠くて頭が前や後ろにカクンってなった経験はだれでもありますよね(ありますよね??)。

でもそのままバタン!!って倒れる人は稀だと思います。多くの人は倒れる前に気付き、よだれを吹き(?)、あたかも寝てませんでした、下を向いて考えてましたみたいな雰囲気を出しながら姿勢を戻すはずです!

これは頭がカクンって傾いた時点で前庭感覚が働き、その傾きに合わせて「これ以上倒れないように!」と固有感覚が働き体を支えているんです。僕はいつもこの2つの感覚に助けられています。(ちゃんと起きろ

そしてバランスを取る上で大事になってくるのが【足底からの情報】です。特に小指外転筋という足の裏の外側に付いている筋肉が大事で、重心のズレを察知するセンサーのような役割を果たしています。

実際に皆さんも片足立ちをしてもらったら分かると思うのですが、内側に荷重をかけた時と、外側に荷重をかけた時では、外側の方が安定感があると思います。運動が苦手な子、体の使い方がぎこちない子は重心がうまく取れていないことが多いです。

療育機関でよく食事やトイレ、勉強の時に足をつけることが大切だと言われませんか?これがその大切だと言われる理由です。足の裏から情報を入れることで姿勢を調整しているからです。

子どもが不安定な足場(砂利道や布団の上など)を嫌がるのも、重心がズレたときにどう体を動かして姿勢を調整したらいいか分からない、というのも原因のひとつとして考えられます。

僕たちだってぬかるんだ田んぼの中を歩いたら重心をとるの難しいですよね(僕は虫が大っ嫌いだからそもそも入らないが)。めちゃくちゃ高い場所にある橋を渡るとき慎重になりますよね。大人からしたらただの砂利道や階段、エスカレーターでも、子どもからしたら新鮮なアトラクションなのかもしれません(ちょっと良く言い過ぎた)。


④情緒を安定させる働き

おもちゃを口にいれる、指をしゃぶる、爪を噛む、抱っこされたら落ち着く、鉛筆を噛む、これらの行動は【圧】を感じることで気持ちを調整している(安心感を求めている)行動です。

わー!っと怒った時に物を投げたり人を噛んだり大きい声を出したりするのも、固有感覚を入れることで調整しようとしているんです。安心を求めるための行動なので、当然相手は親しい人になりやすいし、慣れている物になりやすいです

これを言うとよく「ストレスがあるのかな..」と思われてしまいます。もちろん要因のひとつとしてないとは言えませんが、ぼーっとしてる時、眠い時、嬉しい時など、行動を起こすのには他にも様々な要因が考えられます。

大人でも何回言っても貧乏ゆすりを辞められない人いませんか?ガムを噛んでたらなんなく落ち着きませんか?イライラしているときに机を指でトントンしてる人いませんか?不安なときや嬉しい時に好きな人に抱き着きませんか?

それも全部固有感覚をいれて気持ちを落ち着かせようとしているからです。「また貧乏ゆすりしてたよ!」って言っても。「あ、ごめん、無意識だった」って言うこと多くないですか?考え事をしていた、緊張していた、なんとなく、このように大人も無意識のうちにしている行動なんです。

とはいっても指しゃぶり、爪噛み気になりますよね..いつまでやるのかなって思いますよね…

ですが無理に止めてしまうと、別のもっと強い刺激を求めてしまうことが多いです。家でやらなくなっても学校で、学校で怒られたら先生のいない所で、それもバレたら学校の外で…と場所を変えて行ったり、

指しゃぶり→怒られる→爪噛みへ移行→怒られる→爪の下の皮膚を噛みちぎるへ移行→怒られる→見えない所を噛む、と悪化していった例があります。

これだけ聞くと怖くなってしまいますが、あくまで例のひとつです。大人になってもかさぶたをすぐはぐ人もいるし、耳かきを必要以上にやる人もいますよね。

大事なのは、本人が求めている感覚を、別の手段でも大丈夫なんだよ、というのを少しずつ認識してもらったり、自傷他害に及んでいないのであれば許容することも必要になってきます。許容するときは場所や道具を具体化して(最初は広めに)、少しずつ範囲を狭めていくといいと思います。(家と支援級、保健室では爪を噛んでもいいけど、交流級ではちょっとだけ我慢してみようね、など)

代替手段を考えるときは、本人の求めている感覚を別の手段にしても意味がないので、できるだけ力や圧を感じられるような活動を行なっていきます。

直接圧を感じられるやり方(指をぎゅっぎゅってする、抱きしめる、こちょこちょ、クッションに乗る)、バランスボールをどんどん叩いたり、寝ている子どもの上に置き軽く圧を加えたり、ボールプールの中で遊ばせたり、100均で売ってるような少し硬めの握れるやつ(ボールとか食べ物の形をしたやつ。似たようなやつのリンク張貼っときますが、これよりももう少し硬い方がいいです。興味があれば近くの百均で探してみて下さい。)をぎゅーって握るなど、子どもに合わせて方法はいくらでもあるので、「うちの子の場合は?」と気になる場合は遠慮なく聞いてください。色々な方法を試しながら本人が落ち着ける感覚を探していくことが大切です。

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【母親以外の抱っこを嫌がる】を固有感覚と前庭感覚から考えてみると、抱っこの強さ(力、圧)、高さ、揺れの微妙な違いを感じてるのかもしれません。

他の感覚から言うと、匂い、声の大きさ、安心感(急に高いしないかなど)の違いも影響してくるかもしれません。過敏さがある子に対して信頼関係を築く前に物を介さないやり取りを行うのはかなりリスキーです。

考えてみれば僕たちも、好きな人と手を繋ぐのはいいけど、苦手な人と手を繋ぐのは嫌ですよね。

子供だから誰でも受け入れて当然と思わず、「人見知り」と線引きをせず、大人の関わりに問題があるんじゃないかと思って支援者が振り返ることも大切です。

僕自身幼い頃人見知りが強かったので、急に知らない人が声かけてくる怖さは分かります。実生活でもSNSでも、子どもと上手く関われてないお父さんが多いような気がしているので、実際僕が子どもと接するときの距離の詰め方、遊びの展開の仕方など、普段意識していることは要望があればまとめていこうかなと思います。


⑤体の地図、機能を把握する

固有感覚は触覚、前庭感覚と一緒に自分の体の認識を深めていきます。自分の体の輪郭(幅、長さ)、体の中心軸に対して頭や手足がどのようについているかなどです。

よく「ボディイメージが低い」という言葉を聞くと思いますが、それも固有感覚の未熟さからくるものが大きいです。

よく人や物にぶつかるは自分の体の幅や境界線が未熟だから、危機管理能力が極端に低い、もしくは高いのは自分の能力が把握できていないから、運動やダンスの模倣が苦手なのも、自分の体がイメージできていないのにそこに人の動きを取り入れるのが難しいのは想像できますよね。

帽子や靴下を嫌がったり、手を繋がれることを嫌がるのも、自分の体が勝手に動く感覚がしたり、頭や足に違和感を感じて気持ち悪いのかもしれませんね。僕たちも慣れないヘルメットを被ったり、履き慣れない5本指靴下を履いたら気持ち悪いのと似たような感じです。

自分の体がイメージしにくいといのは、自分の気持ちも整理しにくいことに繋がります。なので大人が分からないタイミングで怒ったり泣いたりすることがあるかもしれません。

そして自分の気持ちがイメージしにくいということは、相手の気持ちもイメージしにくいということです。ここまで行くと社会性の話になってくるので広がりすぎてしまうのでやめておきますが、これが以前書いた感覚統合の記事に出てきたピラミッドの理論になります(一番下の土台(感覚)がしっかりしないと上(社会性)がぐらついてしまう)。

なぜトランポリンやバランスボールをよく使うのか

固有感覚と前庭感覚の視点から考えると

固有感覚→ジャンプする、着地するときの足底からの情報、空間における自分の体の認識、筋を持続的に使う経験など

前庭感覚→覚醒の調整、空間における中心軸の認識、眼球運動、傾きや揺れを感知し姿勢保持へなど

これにプラスして色々なおもちゃや道具を組み合わせることで、更に色々な効果を得られることができます。

「体力をつけるため」「体幹を鍛えるため」と言えばそれまでですが、感覚の理論を知ることで他の遊びでいくらでも代用することができます。遊びの種類や目的についても少しずつ構想を考えている所なので少々お待ち下さい。

どんなトランポリンがいいのかもいつかまとめられてらいいな…(まとめたいことばかり)

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まとめ

感覚は気持ちと環境に大きく左右されやすいので、「なんでこの前はよかったのに今日はダメなんだろう」ってことが多くあります。大事なのは「子どもだから抱っこ好きだろう」「子どもだからトランポリン好きだろう」と決めつけないことです。

僕は常に「子どもの行動を変えたいなら自分の言動を変える」というのを意識しています。

療育者でもたまに上手くいかないと「機嫌が悪かったんですかね〜」「眠かったんですかね〜」と言い訳を並べる人がいますが、そうさせているのは自分が原因じゃないのか、その状況でも何かできることはないのかしっかり向き合って支援を行って頂きたいです。


前庭感覚、固有受容覚ともに理解するのにはかなり時間がかかると思います。分かりにくかったところは遠慮なく聞いてください。もっと有意義な情報を発信していきたいし、皆さんの質問や感想で「それ書けてなかったな~」「ここが分かりにくかったんだな」と気付けるので助かっています!

書ききれなかったことはTwitterで随時呟いていくので、フォロー、リツイートもよろしくお願いします。

ちなみに次回は一旦箸休めで、感覚以外の事を書こうと思っていますので、また見に来てください。

最後まで読んで頂きありがとうございます。感想、質問待ってます!

Twitter:https:/twitter.com/@haru__OT

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