【自閉症スペクトラム】はどのうように診断名として確立したのか。アスペルガー症候群との違いは?

こんにちは、作業療法士の春斗です。

今回は感覚過敏、感覚回避について書く予定でしたが、SNS上で自閉症について間違った見識が広がっていたり、それを見て混乱している保護者を数名見かけたので急遽内容を変更し、自閉症について説明をしていきます。


タイトルにもある通り、【自閉症スペクトラム】以外に、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、高機能自閉症など、色々な表現があり困惑しますよね。なので今回は【自閉症スペクトラム】という診断名が確立するまでの流れを説明してきたいと思います。(久しぶりに学生時代の教科書を読み返した…参考にした教科書のリンク↓)

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自閉症とは

自閉症の概念は1943年にカナーという人物が事例を通して発表したのが始まりと言われています。(約80年前に提唱されているなんて凄いですよね…)

診断基準としては、

「他者との情緒的接触の重篤な欠如」

「物事をいつもおなじままにしておこうとする強い欲求」

「物に対する強い関心と、物を器用に扱うこと」

「オウム返しなど、コミュニケーションには役立たない言葉の使い方」

「知的な顔立ち、カレンダー計算などの特殊領域での優秀さ」の5項目が挙げられています。外国語を訳してること、昔の表現であることを考えても中々ストレートな表現ですよね…

今でもカナータイプ、カナー型と言われる事がありますが、これらの基準に当てはまっているとそう言われる場合があります。(かなり前の表現なので今頃その言い方をしてるのはどうかと思うが)

アスペルガー症候群とは

一方アスペルガー症候群は、名前の通りアスペルガーという人物が「小児期の自閉的精神病質」として発表したようです。その症例はカナーが報告した事例と違い、言語能力と知的能力が高いことを特徴としていました。

しかしここからすぐに診断名が確立された訳ではなく、むしろ全くこの論文は注目されなかったようです。

ところが1981年にウイング(どんだけ人出てくんねん)という人物が発表した論文で注目され、カナーの提唱した診断基準を厳密には満たさないが、「社会性」「コミュニケーション」「想像力」の3つに障害があることに気付き、アスペルガーの発表した事例を参考に【アスペルガー症候群】という診断名を確立し、自閉症との類似性を報告したようです。

なぜ自閉症スペクトラムとまとめられたのか

その後自閉症からアスペルガー症候群まで、広く含める【自閉症スペクトラム症(自閉症スペクトラム):ASDという概念が2013年に確立されたようです(7年前と考えるとすごく最近の気がしますね)。

この背景としては、イギリスの自閉症概念が狭く、多くの自閉傾向がある子どもが必要な支援を受けられていない、という社会的な背景があったようです。アスペルガー症候群を独立した障害として捉えるのではなく、自閉症スペクトラムとして受けられる社会サービスを広げようとしたんです。

学校や園の先生、少し発達障害について知ってるような人が「最近増えてる」「よく聞くようになった」「環境のせいだ」という声を聞くことがありますが、それは大きな間違いということがこれで分かると思います。

増えたのではなく、「見つけてもらえるようになった」です。発達障害に対する認識が広がり、深まったことでこれまで「変な人」「変わってる人」と一括りにされていた人たちに支援が行き届くようになったんです。とても喜ばしいことです。

発症原因は明らかにされていませんが、中枢神経系の障害であることが強く言われています。単独の遺伝によって引きこされる割合も最大で1〜2%と言われています。単独でなく、複数の遺伝子が相互に作用し合うことで引き起こされると考えられています。

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この低い確率を見ても「やっぱり遺伝関係あるんだ…」って思う人もいるかも知れませんが、考えてみて下さい。

定型で生まれた子でも目、鼻、口、頭の形、立ってる姿、歩き方、話し方…って似てる部分ありますよね?それだけ似てるのに脳の構造だけまるっきり違うなんてありえなくないですか?

なので発達障害の原因は「育て方が悪いから」「食べさせてる物が良くないから」なんて理由ではないんです。

なのでどうか保護者の皆さんは自分を責めないで下さい。心無い一言に傷付くことがたくさんあるかもしれませんが、その時は「こいつ何も知らねえんだな」と思いっきり見下して、Twitterに愚痴ってしまいましょう!!仲間はたくさんいます!!

日本でもいわゆる【グレーゾーン】と表現される子ども達がいます。軽度知的ならではの悩み事、IQが高すぎるが故の困り事などに対応できるような制度となっています。

もちろん間口を広げた結果メリットデメリット(支援の差、本当に必要な人に支援が回っているのかなど)は生じますが、それはこれからを生きていく療育者が1つずつ解決していかなきゃいけない問題です。


そして現在【自閉症スペクトラム(ASD)】という診断名になった訳ですが、定義は

①対人相互反応の質的な障害

②コミュニケーションにおける質的な障害

③想像遊びの障害、および現局された行動や興味の範囲

とされています。

これだけでは分かりにくいと思うので、今後はなぜ上記の①〜③が苦手なのかを細かく説明し、乳児期、幼児期、思春期・青年期(中学、高校、大学、就労)にどのような事で困るのか書いていこうと思っています。

書ききれなかったことについては随時Twitterで呟いていくのでフォローしておいてください。相談も引き続き受け付けているので遠慮なく連絡下さい。

内容が分かりやすかったら拡散&感想頂けると記事を書く励みになります。

Twitter:https:/twitter.com/@haru__OT

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