
「なんであんなに怒っちゃったんだろう」
「ダメだと分かってるのにまた怒ってしまった」と罪悪感を感じることありませんか?
その怒り、コントロールする事ができます。
それを【アンガーマネジメント】と言います。

今回は怒りのメカニズムについて知って、自分の気持ちを知ることから子供の癇癪へと繋げていきましょう。
怒りをコントロールすることの難しさが分かると、子供に要求している事がいかに難しく、粘り強くやらないといけないのかが分かってきます。
【怒りは攻撃性が高い】
①職場、友達、家族関係を【壊す】可能性がある
感情の中で1番強い攻撃性を持っているのが「怒り」です。
そして多くの怒りは「他者」に向かいます。
攻撃性には、叩くなどの暴力だけでなく、誹謗中傷や相手を追い詰めるような言葉による暴力も含まれています。
人格を否定するような言動は直接手を出されるよりも精神的ダメージが大きいです。

この怒りが「自分」に向かうこともあります。ダメと分かっていても手首を切ってしまう、髪の毛を抜いてしまうなど、いわゆる自傷行為のことです。
これ以外にも、過度にタバコを吸う、お酒を飲む、ギャンブルにいくなども広い意味での自傷行為に当てはまります。これらも怒りの攻撃性を抑えるための反動的な行動です。
体にも精神的にもよくないと分かってるのにやめられない、とても恐ろしいことです。
②「怒り」は上から下に向かう
アンガーマネジメントが最も必要なのは「リーダー」であるとされています。
リーダーは父親の時もあれば母親の時もあるし、社長の時もあれば直属の上司の時もあるといった風に、場面によって変わります。
ではなぜリーダーに必要なのか。

それは「怒り」が上の立場の人物から伝染して下に伝わっていくからです。
部下がミスしたことについて上司に怒られた時、「なんで私が怒られないといけないんだ!」とは言いませんよね?
その代わり部下に「なんでちゃんとやらないんだ!代わりに怒られたじゃないか!」とぶつけるように、園や学校で立場の強い子に文句を言われたら、その子に言い返さずもっと立場の弱い子に文句を言うようになります。
学校で抱えたストレスを家でぶつけ、家で抱えたストレスを学校でぶつける、こんな悪循環に陥ります。
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家庭内でも当てはまることです。父親が仕事で上手くいかず怒られて帰ってきて、そのイライラを母親にぶつける。
いわれのないイライラをぶつけられた母親は怒りを感じそれを子供にぶつけたり場合によっては自傷行為に陥ってしまったりする。
そして子供は怒りを発散させる相手がいないため癇癪を起こしたり泣いたりする。
無意識のうちに怒りは伝染していき、無意識のうちにジワジワと環境を壊してしまいます。
こうならないためにも、上の立場にいる人はアンガーマネジメントが大事なんです。
【怒りは自分が生み出している】
「あいつが悪いから」「あいつのせいでイライラしてる」と考えてしまいがちですが、実は怒りの感情は自分で作っている事が多いんです。
そんなわけない…と思いますよね。僕も勉強するまではそうでした。
自分で生み出しているという言うことは、怒りのメカニズムさえ理解すれば、それを鍛えて自分でコントロールする事ができるという事です。
それがアンガーマネジメントという心理トレーニングです。

【怒りはなぜ生まれるのか】
①「〜べき」という固定概念
「子供は皆仲良く遊ぶべき」
「おもちゃはこうやって遊ぶべき」
「鉛筆、お箸はこうやって持つべき」
「年上の人には年下から挨拶をするべき」
このように「これはこうするべき!」という思い込みが強いと、怒りは生まれやすいです。

「常識」
「当たり前」
「普通は」
「当然」
このような言葉が出てきたら要注意です。
「価値観は人それぞれだ」とよく言うけど、人は無意識のうちに自分の価値観を押し付けています。
もはや「価値観はひとそれぞれだ」という価値観すらも押し付けている可能性があります。

世の中には「遅刻してもOK」「電話は折り返さなくてOK」と言う人もいますが。
それに対して「遅刻するなんて非常識だ!!」「着信があったら折り返して当たり前だ!!」と言う人もいます。
このように怒る理由には個人差があります。
「常識」「当たり前」「普通は」などの言葉が出てきたら「それ思い込みじゃない…?」と冷静になってください。
「他の人もそう言ってる」「皆やってる」
そう言う人もいますが、それも全て個人的な価値観で、もっというと価値観は時代や環境によってコロコロ変わります。
「家事は女性がすべき」なんて今ごろ言ってる人いませんよね?
コロナが流行してから「黒マスクは痛い」なんて言ってる人いませんよね?
「〜べき」と言う固定概念に陥ってる人を見かけたら、「あ、この人「〜べき」の考えにハマってるな〜」と客観的に分析してみましょう。
もちろん自分が怒りそうになる時も同じです。常識に囚われすぎていないか、ここに気付くだけでも感情の整理がしやすくなります。
②防衛感情
これは自分の大事な人や物を守りたい時に生まれてくる感情です。
家族を悪く言われた時、大事にしてる物(好きなアイドルやアニメ、漫画など)を悪く言われた時、プライドを傷付けられた時などです。
この時に大事なのは、感情を「怒り」だけで捉えない事です。
怒りは【二次感情】であると言われています。
つまり、怒る前の段階でもうひとつの感情があるんです。

これを【一次感情】といいます。
一次感情とは、悲しい、寂しい、困惑、虚しいなどのネガティブな感情の事です。
「期待していた人に裏切られて悲しいから怒る」
「やってもいないことを責められて困惑して怒っている」
という風に、大人も子供も一次感情の防衛のために「怒る」という手段を用いています。
ということは、一次感情のメカニズムを理解して大事する事でその後の行動を変えられるという事です。
「約束していた事を忘れられて、その事を謝ってもらえないから悲しい。覚えてくれていると思っていたから。だから私は裏切られた気分になって怒っているんだ」という風に、「怒り」になるまでに至った経緯を整理します。

「出来事」→「怒り」という風に直結してしまうと、その後の行動がかなり制限されてしまいます。(大きな声を出す、暴言を吐く、手を出すなど)
しかし一次感情が整理できると次の行動を変えることができます。
その次の行動を「リクエスト」と言います。
「なんで言ったのにやってくれてないの!!」
「なんで忘れてるの!!」
「何回同じこと言わせるの!!」
ではなく
「どうやったらできるようになるのか」
「なんて伝えたらこちらが意図したように行動してくれるのか」
を考える必要があります。
手間ですよね…
なんでそんな細かく言わないといけないんだって思いますよね…
そうなんです!
アンガーマネジメントはかなりめんどくさいし手間なんです!
だから皆やりたがらないんです!
だって大人も子供も怒るのが1番楽だから!
人がなぜ怒るのか、そのメカニズムがなんとなくご理解頂けたでしょうか。
子供が癇癪を起こすのもこのメカニズムが関係していますが、子供に焦点を当てたアンガーマネジメントはまた別で書きます。
おわりに
覚えておかないといけないのは、怒りは「近い存在にこそ強く出る」ということです。
なぜか
それは「甘え」がでるからです。
初対面の人に「なんでこんなこともできないんだ」「君のやってることはおかしい」なんて言いませんよね。
逆に
「なんで毎日一緒にいるのに分からないの」「1番理解して欲しい存在なのになんで反対するの」と身近な人ほど怒りが湧きやすいはずです。
それは「この人ならこれぐらい言っていいだろう」「これぐらい怒っても許してくれるだろう」といった【甘え】があるからです。
しかしちゃんとメカニズムを理解して手間をかければ「怒り」と「甘え」を区別することができ、それぞれに合った対応ができるようになります。

今回の記事で、「手間さえかければ怒りをコントロールできる、変えられんだ」と気付いただけでもかなり大きな一歩です。
そして怒りのコントロールには短期的な対処法と長期的な対処法があります。
この方法を実践していくことで「怒りにくい体質」を身につけることができ、それを少しずつ子供に落とし込んでいくことができます。
一度に全て書くと混乱すると思うので対処方法については次回の記事でまとめていきます。
くれぐれも言っておきたいのは、
【怒ること=悪いこと】
ではないということです。
誰だって我慢できずに感情を爆発させてしまうことはあります。
悪いのは「なぜ怒っているのか」を自分で理解して言葉で伝えないことです。
「なんでこんなこともしてくれないんだ!!!」
と伝えるのと
「お願いしたことを忘れていたから悲しくて怒っている。本当はこうしてほしかった。次からそうしてくれると嬉しい。」では大きな違いがありますよね?

何回も言います。
アンガーマネジメントは手間です。
ですが子供は怒ります。これでもかってぐらい怒ります。
それを大人は必死に止めようとします。
「何が嫌だったの」「なんでいつも怒るの」
そう思いますよね。
周りの目がきになりますよね。
ですが皆さんはこの記事で「怒り」が二次感情であることを理論的に知ることができました。
怒りの原因である「一次感情」は何なのかを言語化し、「あ、私(僕)は悲しいから怒っているんだ」と認識してもらうことも大切です。
大人でも難しい怒りのコントロール、子供だと尚更難しいことを理解して頂き、少しだけ怒ってる原因に目を向ける機会が増えると嬉しいです。(園や学校で理不尽に子どもを怒鳴りつけている先生方は特に)
対処法についてもできるだけ早めにまとめていきます。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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